正林寺は、日蓮の弟子、六老僧の一人である日頂が乾元二年(一三〇三)に開創したといわれる古刹である。本堂左手には、日頂の墓といわれる土盛をして石葺にした土まんじゅう形の墓がある。
日頂は、建長四年(一二五二)重須に生まれたが、父が早く亡くなり母の再縁により富木常忍(日常)の養子となった。
八歳になると下総国真間山弘法寺にはいり伊予坊といったが、後に日蓮の教えを受け弘法寺を日蓮宗に改宗させ日頂と名乗った。日蓮入滅後、日頂は父日常と不穏になり弘法寺を追われ、生れ故郷である重須に戻り、翌年には正林寺を創建した。そこから本門寺に通って、法兄日興を助け後輩の教育などに携わり、富士門流の発展に寄与した。
(境内・富士宮市教育委員会案内板より)