木一山願念寺は石川県金沢市野町1丁目に境内を構えている真宗大谷派の寺院です。願念寺の創建は慶長年間(1596~1615年)に開かれたのが始まりと伝えられています。当初は現在の片町付近にありましたが万治2年(1659)現在地に移ってきています。願念寺は江戸時代の俳聖松尾芭蕉の弟子、小杉一笑の菩提寺としても知られ、元禄2年(1689)に奥の細道の際に松尾芭蕉が金沢に訪れた時には小杉一笑は36歳の若さですでに死去していました。
芭蕉は一笑の死を悼み願念寺で催された追悼会に出席し、「塚も動け 我が泣く声は 秋の風」の句を残しています。境内には小杉一笑の辞世句 が刻まれた一笑塚や「塚も動け 我が泣く声は 秋の風」の芭蕉の句碑があります。
願念寺山門は平唐門、一間一戸、銅本瓦棒葺き、四脚門。本堂は木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行7間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、内部の内陣には本尊となる阿弥陀如来像が安置されています。鐘楼は切妻、桟瓦葺き、外壁は柱のみの吹き放し。
又、境内周辺は江戸時代の寺町の雰囲気が色濃い町並みが残されており名称「寺町台寺院群」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。