皇子神社(おうじじんじゃ)は徳島県阿南市日開野町にある神社。
創立年代不詳なるも、崇徳天皇第三の皇子朧夜の皇子は、紀州渚の郡加田浦より當阿波の国へ入船し、日開野村へ流着、朱塗の鳥居を建て、當社を創建したと伝えられる。
御祭神は大己貴命。この神様は大国主神の別名にして、人の命、あらゆる動植物の命の根源を司る神として崇められ、御神徳は廣大無辺にして、五穀の祖神の一つでもある。
神社の鎮座するこの王子山は、古木鬱蒼と生い茂り奥深く静寂で神の鎮まるよき神苑となっており、古き豪族の古墳史跡ともなっている。神社本殿、拝殿には近郷の神社仏閣では珍しい彫刻が残されており、神威を強めている。
大己貴神の感応は荒く、邪念を祓い誠心をもって拝すれば願い叶うと伝えられる。また牛馬安全の守護神として尊崇せられ、現在、日開野・中村・七見を守る産土神として祀られている。
例祭日には神輿渡御が執り行われ、古くより神輿が入御すれば、一日間参拝してはいけないとの伝承があり、鳥居正面には網を張り、お詣りを許さない。
別宮には摂社として二宮神社・八坂神社・秋葉神社・天神社の四社が祀られている。