久昌寺跡

至徳元年（1384年）、曹洞宗の寺院・禅喜寺として創建された。3年後の嘉慶元年に慈雲山龍徳寺に改称した。
生駒氏が大和から移住したときに菩提寺と定められ、以降代々の墓がある。
生駒氏3代家宗の娘（類や吉乃と通称されている）は織田信長に嫁ぎ信忠・信雄・五徳を産むが、永禄9年（1566年）5月13日に病没した。このとき寺号を娘の法名「久菴桂昌大禅定尼」に由来する現在のものに改称する。かつて全盛期には良桂院なる塔頭があった。
江戸期には現在の庫裏が建てられ、1925年には現在の本堂が建てられた。
約60年前から住職の死によって無住となり、檀家も末寺へ譲るなどして約10軒しかないため、所有者で生駒氏19代当主・生駒英夫氏のもとで宗教法人が維持管理を行ってきた。だが運営状況は厳しく、境内南側を1992年、北側を2012年から市に無料貸与し、久昌寺公園として開放した。5年ほど前から取り壊しも検討しており、2020年3月にはついに宗教法人が解散したため、8月に所有者側と市の間で無償貸与地を市に譲渡のうえ、本堂と庫裏の取り壊し後の跡地も市が買い取ることが決定した。