八所神社

白雉2年（651年）9月、天智天皇が大津宮に遷都したときつき従った朝臣・平群飛鳥真人（へぐりあすかのまひと）が伊香立を食料地として賜った。真人は祖先である天大吉備諸進命（アメノオオキビモロススメノミコト）を氏神として勧請し、社殿を造営した。
のちにこの真人の子孫・平群兼房が天照大神・伊邪那岐命・伊邪那美命・大山咋命・市杵島姫命・倉稲魂命・崇神天皇の七柱の大神を合祀した。このため八所大明神と称するようになった。
元亀2年（1571年）に起きた織田信長による比叡山焼き打ちの際、坂本日吉神社の禰宜・生源寺宿禰行丸が日吉山王（現・日吉神社）の神璽を奉じて当社に避難したが、八所神社も類焼した。そのため行丸は再び北船路へ避難した。この際焼亡した八所神社は早くに復興されたが、日吉神社の復興は遅れたため、行丸は当社に仮殿を設けて山王七社の神を祀り、山王祭を斎行した。このことから日吉の神大己貴命、白山菊理姫命の二柱の分霊を本社に祀り、元の祭神は境内社として祀った。こうして本殿は2つ設けられた。
明治45年（1912年）、菅原道真公が合祀された。